AtCoder Educational DP Contest:O問題(bit DP)
DPコンテストのO問題に引っかかったので,まとめます.
方針
男女N人ずつのマッチングですが、例えば男性iを昇順に固定した場合、女性N人の順列を試せば全通り考えられます。しかし,O(N!)の時間がかかり間に合わないです。一般に,順列などO(N!)をO(2^N)に落とすテクニックとしてbit DPなるものがあるようなのでそれを使っていきます。
bit DP
N個の要素の順列で条件に合うものを数え上げたりするときに、順列全ての情報を保持する必要がなく,どの要素をつかっているかを保持したので十分だという場合に使えるみたいです。どの要素を使っているかは,N個の要素の部分集合として表せ,bit列を用いることで割と簡単に表現できます。
考え方
例えば,3人の男女のマッチングで3組のペアが何通りできるかを考えます。このとき,どの女性がマッチングに参加しているかをbit列で101のように表現することにします。男は昇順に固定されていることを考えると,この例でいえば女1と女3と,男1,男2のマッチングを考えることになります。また,bit列で表される女M人がマッチングに参加した場合に,M組みのペアがdp[bit]通り考えられるとします.
3人全員がマッチングに参加するとき,bit列は111になります.漸化式を立てたいので、ペアを1組固定することで2人でのマッチングとの関係を考えます。ペアを1つ固定する上で,男は昇順に固定されているので当然男3になりますが、女は3人のうち1人を選ぶことになります。
仮に女1が選ぶとしましょう。このとき女1以外の参加者のbit列は011になります。男3と女1が実際にペアになれるとき、女1を除いた2人のマッチングにこのペアを追加するだけで3人のマッチングが完成することから,男3と女1がペアになる3人のマッチングはdp[011]通りあることになります(女2と女3での2組のマッチングが全くない場合は男3と女1がペアになっても0通りですが,dp[011]=0が成り立っているので問題ないです)。
女1が選ばれたのに男3と女1がペアになれない場合、女2と女3がペアになれたところで3人のマッチングは不可能なので0通りです。
これらをマッチングに参加している女性すべてでやっていくと,以下の漸化式が立てられます。このとき男iと女jがペアになれるとき1,なれないとき0になる関数としてを定義します。
これを一般化すると,bit列において1の数をi個としたとき(参加している女・男の人数はbit列の1の数に対応),参加しているすべての女と男iについて上記のことをやっていけばよいわけです。
この漸化式を使って動的計画法で実装します。bitは10進数でまで1ずつ足していけばすべてのbit列を網羅できます。
このとき、
- 1 << i:右からi+1番目の桁だけ1をたてる
- bit xor (1 << i):bitのi+1番目の桁を反転させる
ということに注意すると
#include <iostream> #include <vector> #include <cmath> #include <iomanip> using namespace std; typedef long long ll; #define MOD 1000000007LL ll dp[1<<25]; int a[21][21]; int main() { int N; cin >> N; for (int i = 0; i < N; i++) { for (int j = 0; j < N; j++) { cin >> a[i][j]; } } dp[0] = 1; for (int bit = 0; bit < (1<<N); bit++) { int pos = __builtin_popcount(bit) - 1; for (int i = 0; i < N; i++) { if ((bit & (1<<i)) && a[pos][i]) { dp[bit] += dp[bit ^ (1<<i)]; dp[bit] %= MOD; } } } cout << dp[(1<<N) - 1] << endl; return 0; }
みたいになります。
まとめ
見返してて、自己満な解説になってしまった感がありますが、とりあえずこれでいいや...同じようなレベルの人の少しでも参考になれば嬉しいです。
巡回セールスマン問題とかいろいろな場面でbit DPが使えるみたいです。